風前の灯火となった東急車の幕式表示
各車両の行先表示で多く使われてきたいわゆる「幕式」表示器ですが、LEDの普及により年々姿を消してきました。
- 東横線
- 2013年に9000系・1000系引退により、編成単位での幕式表示消滅
- 2017年に5000系・5050系の中間車種別表示がフルカラーLEDに変更され消滅
- 目黒線
- 2017年に5181F・5182Fの種別表示がフルカラーLEDに変更され消滅
- 田園都市線
- 2019年5月現在、最後の幕式編成として8606Fが運行中
- 大井町線
- 2014年に9000系がフルカラーLEDに変更され消滅
- 池上線・東急多摩川線
- 2016年に1000系がフルカラーLEDに変更され消滅
- 世田谷線
- 2001年に150形の引退により消滅
ご覧の通り、東急保有の車両では、いよいよ1編成を残すのみとなりました。そして、最後に残ったのが、8500系 8606Fです。8500系も置き換えが予定されており、8606FがLED表示に変更される可能性は限りなく低いと思います。しかしながら、編成の置き換えはほぼ確実に行われるため、数年内には確実に消滅することになりそうです。
最後の幕式編成となった8606Fの正面表示@鷺沼
7200系や8000系に取り付けられていた、運行番号表示器の幕。最近では、7700系のさよなら運転時にこれを模した装飾が行われた@荏原町
幕式と言えば、終着駅などでの回転時に、普段は見られないようような行き先が見られる楽しみがあった。大井町線に一時的に転属した9001Fで見られた、「通勤特急 桜木町」の表示@大井町
東急電車まつりで公開された、東横線用の幕。普段は表示器に表示されるものしか見られないが、中身はこのようになっている@長津田工場
最後の幕車は、種別表示のみ幕式となった5000系。5000系誕生時にはフルカラーLEDが普及していなく、3色LEDだと色が足りなくなる可能性があったため、幕式にされたと思われるが、この2年後に誕生した5050系からフルカラーLEDが使用され始めたため、5000系6編成、5080系2編成の使用にとどまった@草加
回送や試運転など、非営業列車の場合は、黒地に赤文字が主流だった@二子新地
大井町線の急行運転開始時に交換された幕は、白地に赤文字だったが、2014年に消滅している@宮崎台
横浜高速鉄道Y500系の種別表示もフルカラーLED化が進んでおり、直通運転の車両を含めて、東急線では見納めとなりそうです。