8500系ヒストリー (2020年代前期編)
2019年に再開された8500系の廃車は2020年以降も続く。2020年は8606Fや8614Fなど、特徴のある編成が姿を消す1年となった。2020年は8編成、2021年は9編成が運用から離れた。2022年には赤帯最後の編成となった8631Fと、青帯編成の8637Fにヘッドマークが取り付けられた。8631Fは1か月程度の運行となったが、8637Fは2023年1月まで運行されることが発表され、最後の花道を飾る編成となった。1編成となってからは運用が絞られ、ラッシュ時のみの運行か、長津田から出て長津田に戻る運用に限られるようになった。そして、2023年1月に事前のアナウンス通り8637Fが営業運行を終了。1月25日に長津田工場へ回送されたことが東急電鉄株式会社のお知らせによって発表され、48年の歴史に幕を下ろした。
旧新玉川線区間のトンネルに入る8500系。開業当時から見られた組み合わせも終わりが近づいていた。(2020年1月撮影@用賀 – 二子玉川)
最後まで幕式のまま残った8606F。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下の2020年5月に運用を離脱。この編成の引退により、東急が保有するすべての車両の行き先表示器がLEDに統一された。(2020年2月撮影@神保町)
伊豆のなつ号としてラッピングされた8614F。最後までこの装飾のまま田園都市線とその直通路線を走った。2020年6月に運用を離脱している。(2020年2月撮影@溝の口)
朝のラッシュ時を走る8500系。徐々に見かける機会が減っていった。(2020年10月撮影@梶が谷)
2021年9月に相鉄から21000系が甲種輸送された際に、留置されている横を8500系が通り抜けた。(2021年9月撮影@長津田 – つくし野)
2021年末には3編成まで減っていた。(2021年12月撮影@二子新地)
2022年には、有料の撮影会や乗車体験会が複数回開催された。2022年5月の撮影会では、さよならヘッドマークが取り付けられた8500系の並びを見ることができた。(2022年5月撮影@長津田検車区)
中央林間方にも回り撮影することができた。8631Fには花束が置かれており、廃車が近いことを思わせる演出となった。8637Fにはマスクをしたのるるんが乗務中。(2022年5月撮影@長津田検車区)
長年折り返し駅として使われてきた水天宮前を発車する8637F。この数日後に運行を終えた。(2023年1月撮影@水天宮前)
8637Fの引退により広義の8000系がすべて東急から姿を消し、一つの時代が終わりを迎えた。